遺言

遺言

依頼者の意思が正確に実現されるよう、法的手続きに則った遺言の作成を行います。

遺言とは、被相続人が所有している財産を処分する最後の意思を表したもので、遺言できる事項は法律行為ですから限られています。したがって、法律行為の意思表示を自分がなくなった後に生じさせるというものなのです。ですから、遺書のように感情を綴ったりすることは原則的な形態ではありません。しかし、相続紛争は、兄弟ケンカ、ステップ家族、分家など複雑な親族関係が元で起こります。そこで附言事項といって、感情面から心をベースにした事項を残すことができます。しかし、それは、遺産の分配の理由などを心情面から説明するというケースが多いといえます。

遺言の種類

遺言は、作成方法によって、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言が規定されています。一般的には、自筆証書遺言を書かれる方が多いですが、複数の遺言があるということがあります。この場合日付が新しい方が有効となりますが、遺言無効の訴えなどを誘発する恐れなどがあります。また、遺言の内容に反する行為を遺言者が生前に行っていた場合は、遺言者は遺言の内容を変更したとみなされることになりますので、遺言者が遺言に反する行為を行った部分は撤回したとみなされます。

(1)自筆証書遺言

自筆証書遺言は弁護士がチェックをすればよいのですが、遺言自体が厳格な要件の下で有効性を認められます。どうしてかというと、遺言は、法律行為がされるときには意思表示者がなくなられています。したがって、表意者の意思を確認できないような遺言といった制度は、手続を厳格にせざるを得ないと考えられているのです。よくあるのが、ワープロを使っている、日付の記入がない、氏名の記載がない、押印がない、遺言の対象となる相続財産が調査されていないため、「遺言漏れ」が起こる、といった失敗です。自筆証書遺言は、秘密性が高く簡易迅速に作れるのですが、他方、こうしたことから、無効になりやすいという弱点を抱えています。特に、高齢の際に自筆証書遺言を作成することは控えた方が良いと言えます。また、気分によってコロコロと書き換えたくなってしまう点も、問題です。

(2)公正証書遺言

公正証書遺言は、公証人が2名の証 人を立ち会わせたうえで、遺言者が遺言の内容を公証人に話して、公証人がそれを録取したものを読み聞かせて、遺言者、証人、公証人が署名・押印をすることができます。公正証書遺言は、後々、偽造や変造がされたと主張されることがまずないといっていいと思います。このため、遺言無効の訴えなど、相続人間で、遺言書の有効性についての争いは避けられます。こうしたことから後の紛争予防には公正証書の実効性が高いといえます。

(3)秘密証書遺言

秘密証書遺言は、内容を秘密にして作成される遺言書です。遺言者が遺言の内容を秘密にしたうえで遺言書を提出し署名・押印をして、その遺言書に押した印で封印し、その封書を公証人及び2名以上の証人の前に提出し、自己の遺言書であることを申述し、その封書に公証人が証書を提出した日付及び遺言者の申述を記入して、遺言者及び証人とともに署名・押印することで成立します。当事務所では、秘密証書遺言もよく利用しております。全文の自筆は要求されておらず、パソコン等を利用して作成することができます。そして、公正証書遺言では、財産が多い場合に読み上げが大変、というケースがあります。読み上げに20分くらいかかってしまって、公証人が訂正していると1時間というケースもあります。ご高齢の方は、公正証書の公証人に対する口授を嫌がることが多いのです。そこで秘密証書遺言も、当事務所ではよく利用しております。

弁護士に依頼するメリット

遺言書を作成するにはポイントがあります。すなわち、相続発生後、遺言が有効か無効かという論争は意外と起きるものです。公正証書遺言はこれを防止します。
次に、遺言を作成する場合、法律法律家である弁護士から、遺留分や相続税についても配慮して遺言を作成するなどのアドバイスを受けることができます。例えば不動産を相続させても、相続税の支払い余力がないと不動産を手放さなければならなくなるからです。